数年前から揉めに揉めていた一澤帆布ブランド。
毎日新聞2011/3/28掲載 http://mainichi.jp/select/today/news/20110328k0000e040080000c.html
長男と四男が会社に乗り込み、社長として本筋である三男を突然解任した事件。
傍目には、「兄弟ゲンカ」とか「お家騒動」と思われますが、最高裁にまで行き、結果、本流である三男一澤信三郎氏に経営権が戻り、この4月、会社が完全復活するようです。
(裁判では、取締役会決議、株主総会決議の無効ということなんでしょうね。)
兄弟ゲンカやお家騒動のうちはいいのですが、この場合は、お行儀の悪い長男と四男による「不当な乗っ取り」、「名誉毀損」、「信用失墜」などではないでしょうか。
私の想像ですが、三男を妬ましく思う長男が、出来の悪い四男を上手く言いくるめて、相続に納得が行かないことに対する「イヤガラセ」が始まりだと思います。
銀行を定年退職した長男からすれば、ブランドと言われる会社の社長である三男が妬ましくもあり、羨ましくも見えたのでしょう。(恐らく理屈よりも感情が余りにも優先しすぎたのでしょう。)
人の良い三男は、会社において、付け入られる隙がどこかにあったことが実は落ち度なんですが、人の良い人は、他人を疑いませんから、性善説で何事もやっているはずです。そこを突かれたのでしょう。(こういう乗っ取りを画策するということは、弁護士も相当練りに練っているはずですしね。)
こういう話は世間でも多くあります。
出来のいい弟や妹を妬み、羨む兄や姉が、とんでもない行動をする。
世間一般の常識では考えられないような言動を平気でするのです。
ここで厄介なのが、「親子、兄弟姉妹、血族」ということです。
誰に相談しても、「身内の話でしょ。身内で上手く話をしてくださいよ。」的な答えしか返ってこない。
法律もここに踏み入りにくいようです。
ですが、実は親族間のトラブルで困るのが、「憲法、民法、商法、会社法、定款、規約など」に抵触することをしても、身内が「グルになって」、その事実や証拠を隠蔽するため、なかなか真実を真実として第三者に理解してもらえないことだと思います。
こういうのを見ていると、「法律なんて無力なのか?」とさえ思うこともあります。
とは言え、法を犯した行為をしても仕方がないのでしょうが、親族間の争いの場合なら許される、なんて法があれば、世間で「歯がゆい思い」をしなくていい経営者がなんと多いことか。。。
一澤帆布さんの場合は、「2通の遺言書」の真贋判定の曖昧さから、筆跡鑑定にも疑問を投げ掛けたようです。 また、最高裁まで行っていますので、今後の中小企業における相続や事業承継のトラブルの良い判例にもなると思います。
最後には、悪者は排除され、正義が貫かれる。そのいい判例なんでしょう。
何だか他人事ではないようにも思い、ブログに記しておきました。